ガルシア・ロルカ悲劇三部作第3章「血の婚礼」は、悲劇と書いて「ひみつ」と読みます。
血の婚礼のキャスト・スタッフによる「悲劇・ひみつ」をテーマにしたコラムを書いてもらいました。
あなたのひみつを呼び覚ますような読み物です。ぜひお楽しみに。
「悲劇・ひみつ-インタビュー」
山本泰輔のコラム原稿が届かなかった。聞いてみたところ、コラムのテーマ「悲劇・ひみつ」を考えるとうーん、と悩んでしまう。とのこと。
ここは、話しながらどんなことを考えているのかを聞いてみよう。と、インタビューをすることにしました。聞き手は五味伸之が行いました。
(五味)今から「悲劇・ひみつ」をテーマにしたインタビューを行います。よろしくお願いします。
(山本)はい
(五味)このテーマってどんな印象ですか?
(山本)悲劇はあまり日常的じゃない、ひみつは、思い返すと重たい記憶がたくさん出てきます。
(五味)重たい感じがするんですね。しかも、たくさん!
(山本)言えないこと、となると、言えなくて辛い状況だった記憶がたくさんあります。
(五味)おお、、、それって血の婚礼の作品とも重なってきますか?
(山本)少し重なることもありますが、重ならない(別の事柄)、、いや「家」のこととなると重なってるかもしれません。
(五味)家、なるほど。今回の血の婚礼は「結婚」を軸にさまざまな人や人ならぬものたちの思いが重なりますよね。
そういうのも、日常的ではない。と感じますね。
(山本)うーん、結婚、というか夫と妻の考えの違い、そこからくる悲劇に巻き込まれて辛かったです。
(五味)考えの違い、家庭にもあるし、最近はそういうまさに過渡期というか、、、綱渡りな時代って感じですよね。あ、これは僕が感じてるんですが、悲劇って巻き込んだり、巻き込まれたりしますね。
(山本)そうですね、小さい頃は「家」からのガレッられる場所が少ないから、辛かった。大人になってからの方が、自分位会う場所を選べるから、逃れられるから、楽だと思います。
(五味)そういった事柄がたくさん出てくるのですね。
(山本)そうですね、「家」「学校」そのどちらともにひみつを共有できる場がないことが、辛かったですね。
もっと開けっぴろげに言えたら楽だったのかも。
インタビュー後
インタビューが終わった後に少し話をしました。
悲劇・ひみつというテーマから、スタッフや出演者がそれぞれ感じたことを、観客の人がそれぞれで気になることをキャッチして、そこから作品を感じ取ってもらうことで、色々な入り口ができてくるのかな。と思っています。ある人にとっては、山本泰輔さんの考えたことが響くかもしれないし、ある人にはまた別の人の考えが響くのかもしれない。
文章を書くこと、表現をすることは内側にあることを表に出して現実化していくことだけど、その時のブレやズレがくっついてくることも表現を通した伝え合いには必要で面白いところなんだろうな。と思いました。
この血の婚礼で出会うことで、どんな「悲劇」「ひみつ」と出会うのか、楽しみです。
五味伸之&山本泰輔
血の婚礼サイト