ひみつのコラム|五島真澄

ガルシア・ロルカ悲劇三部作第3章「血の婚礼」は、悲劇と書いて「ひみつ」と読みます。

血の婚礼のキャスト・スタッフによる「悲劇・ひみつ」をテーマにしたコラムを書いてもらいました。

あなたのひみつを呼び覚ますような読み物です。ぜひお楽しみに。


「ひみつきち」

秘密や隠し事ってあんまり好きじゃない。とか言いながら、自分はおおっぴらな人間ってわけじゃないけども。
小学校に入ったばかりくらいの時、すぐ近くに住んでいたりゅうのすけくんとよく秘密基地を作って遊んでいた。自分の家の敷地内。入り口の駐車場の目の前に木があって、草も生えているんだけど、少しくぼんでいるスペースをみつけたので、そこを整えて自分たちの空間にした。外からしっかり丸見えだけど。
「ひみつきち」という響きに男子はめっぽう弱い。
別にやましいことは何もない。ロマンだ。
ついこの間、とあるおじさんが作った、狭い部屋の中に自分の好きなギターや雑貨、CDを並べた趣味全開のお部屋に入った。あれもきっと「ひみつきち」。もしあの空間に置かれたアイテムが一つでもなくなったら、「悲劇」になっちゃうだろうな。

五島真澄


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