
INTRODUCTION
劇団GIGA初のダンスフェスティバルで舞い踊る!
山田恵理香による新たなプロジェクト《ニューニチブキカク》が始まります。
ニューニチブとは、日本の文化や風土を生かした“ニューオールドカルチャー”を舞台上に立ち上げる試みです。
懐かしくも新しい、JAPAN madeの表現を探ります。
今回は、ソロダンス『ORU』と舞踊劇『ツルマチ』の2作品を連作として発表します。
どちらも民話『鶴女房』を題材にしています。
誰もが知る“鶴が恩返しをする”物語を、現代の身体でどう織り直せるかをお楽しみください。
境界を超え、世界を射程に。
30周年を迎えるGIGAは、これまでの歩みを礎に、アジアからヨーロッパへと視野を広げていきます。
演劇の新たな歴史のはじまりに、ぜひお立ち会いください。
企画・演出:山田恵理香
STORY
民話「鶴女房」
あるところに、傷ついた鶴がいました。
その鶴を男が助けてあげました。
その夜、男の家の戸を叩く音がします。
戸を開けると、そこには美しい娘が立っていました。
やがて娘は男の家に住むようになり、夫婦となりました。ある日、娘が「決して中をのぞかないでください。」と言い残し、部屋にこもって布を織りはじめました。
キィキィ、パタンパタン。キィキィ、パタンパタン。
機織りの音が響き、やがて娘が部屋から出てくるとその手にはとても美しい布がありました。
その布はとても高く売ることができ、夫婦の暮らしは豊かになりました。そして、もう一度その布を織るために娘は部屋に入り布を織りはじめました。
キィ、キィ、パタンパタン・・・。キィ・・・キィ・・・、パタン・・・パタン・・・。
どうしても気になった男が中をのぞいてしまいました。
そこには、娘の姿ではなく、自分の羽を一枚ずつ抜きながら織り続ける一羽の鶴の姿がありました。鶴が言います。
「私は、あの時あなたに助けられた鶴です。約束を破られた今、もうここにはいられません。」
そう言い残し、鶴は夜空へと飛び立っていきました。
鶴女房について
「鶴女房」は、全国に伝わる物語のひとつです。
東北から九州まで、語り手や土地ごとに少しずつ形を変えながら受け継がれてきました。
見返りを求めずに助ける人の心、恩返しをする鶴の心、約束を破る人間の弱さ、別れの哀しみ。
それらが語るのは、人と自然、与えることと奪うことの境界にある“日本人の情”です。
ニューニチブキカクでの上演について
新劇が行った「日本の民話を現代の舞台として生き返らせる」という精神を引き継ぎ、現代に生きる私たちの“新しい鶴女房”を創造します。
前回のPPP公演では、全国に伝わる11の「鶴女房」を語り演じ、物語の変遷そのものを舞台化しました。
今回はその中から、厳選した一篇の「鶴女房」をお届けします。
時代と土地を越えて語り継がれてきた物語が、いま、再び息を吹き返します。
CAST
出演者

五味伸之 Nobuyuki Gomi
俳優・演出家
新聞劇、朗読劇、お化け屋敷演劇、プレイバックシアターなど多様なアプローチで表現の可能性を探求。韓国・香港・中国・シンガポールなどアジア各地での上演経験をもつ。夢野久作文学館(仮)の企画運営や、視覚障害者に漫画体験を届ける漫画朗読劇の実施など、作品と社会との接点を意識した活動にも注力している。
障害の有無を問わず多様な背景をもつ人々と創作を行うよりそう演劇ワークショップを毎月開催中。異なる感覚との出会いを大切にしながら、表現の共有と創造の場づくりに取り組んでいる。創作活動と並行して、就労支援現場における表現指導など、教育・福祉の分野にも携わっている。

符容 Fu Jung
2017年から演技の仕事をしています。
ショーのジャンルには、写実的な劇場ショー、アヴァンギャルド劇場、ボディシアターがあります。
現在、無所属の劇団は、フリーランサーであり、ガリレオ・プロジェクト(ブレヒトの著書ガリレオ伝)の一員として活動している。ワンウィイェン(王玮廉)が始めたこのプロジェクトは10年間、劇場関係者たちが参加した創作活動だ。公演研究、劇場創作、授業の分かち合いを通じて科学と哲学、芸術が調和した人文的価値を実践する。ソロ・パフォーマンス・オーサリングも開発されました。最近は韓国・日本をはじめ、アジア各国で公演を行い、2025年ネパール民衆演劇祭にも参加した。

真吉 Masakichi
劇団四季ミュージカル、大手テーマパークにてダンサーとして経験を積み、コンテンポラリーダンスを学ぶため渡英。帰国後、ダンス作品創作を開始し「福岡ダンスフリンジフェスティバル」2012年観客賞受賞。演劇作品にも多数出演。
現在はダンス創作と共に、ダンススタジオ及び専門学校にてダンス講師 、ミュージカルや演劇作品への振付、小学校や公共施設でのダンスワークショップ等、沢山の方々と踊る楽しさや豊かさを分かち合いたいと活動している。
DIRECTOR
演出

山田恵理香 Erica Yamada
大分県出身。九州大谷短期大学演劇放送コース卒業後、上京。
1995年より福岡を拠点に活動を開始。空間再生事業劇団GIGAを旗揚げする。2005年利賀演出家コンクールにて優秀演出家賞受賞。演出家として、人間が秘めている本質を炙り出す演出は数々の衝撃作と問題作を生む。演出作品「埋められた子供」が朝日新聞「回顧2006九州・西中国・沖縄」の特集記事に舞台部門のベスト作品として掲載される。福岡をアジアの舞台芸術交流地とすべく、シンガポール・中国・韓国など東アジアを中心に活動。国内外の演劇祭への招聘公演やプロデュース公演の演出も多数。俳優育成や演劇普及にも力を注ぎ、ワークショップ事業の進行役や市民ミュージカルの演出も行う。 ヒューマンアカデミー福岡校パフォーミングアーツ非常勤講師。
上演情報



▼日時
2025年12月12日(金)〜12月14日(日)
12月12日(金)19:00開演(ProgramA)
12月13日(土)15:00開演(ProgramB)
12月13日(土)18:30開演(ProgramC)★
12月14日(日)13:30開演(ProgramD)★
12月14日(日)17:00開演(ProgramE)
※各回の開場は15分前
※その他にも、ワークショップやキッズプログラムあり
空間再生事業 劇団GIGAはProgramC&Dに出演します。
▼料金
❶ProgramA~Eプログラム
【前売券】一般:3,000円、U-18:1,000円
【当日券】一般:3,500円、U-18:1,500円
※グルーブごとのチケット料金、全席自由、税込み
❷ダンスエクスチェンジ通しチケット
[限定20枚/ノベルティ付]6,000円
❸キビる割
「キビるフェス2026」の他プログラムの半券または予約画面等のご提示で
一般料金から300円引きとなります。
▼会場
パピオビールーム大練習室
〒812-0044 福岡県福岡市博多区千代1丁目15-30
地下鉄:福岡市営地下鉄「千代県庁口」駅から徒歩 約3分
西鉄バス:「千代一丁目」バス停より徒歩約1分
西鉄バス:「千代町」バス停より徒歩約3分
JR:鹿児島本線「吉塚」駅より徒歩約13分
車でお越しの方へ
施設専用の駐車場はございません。
ご来場の際はできるだけ公共交通機関をご利用ください。
ニューニチブ・ソロダンス『ORU』/舞踊劇『ツルマチ』
ProgramC(12月13日(土)18:30開演)
ProgramD(12月14日(日)13:30開演)
◯作品タイトル
ニューニチブ・ソロダンス『ORU』/舞踊劇『ツルマチ』
◯staff
構成・演出:山田恵理香(空間再生事業 劇団GIGA)
プロデュース:空間再生事業 劇団GIGA
ドラマトゥルク:石田聖也(Artist Collective somegokoro)
◯作品解説
演出家・山田恵理香が立ち上げた創作プロジェクト「ニューニチブキカク」は、日本の民話や伝統的身体様式に現代演劇・ダンスの視点を取り入れ、「これからの身体表現」を追求する実験的シリーズです。本作は民話「鶴女房」をモチーフに、異なるアプローチ(ダンス/舞踊劇)で創作しています。「鶴が布を織る」行為から、自身の人生を織り込む「織る=居る」を身体化させたコンテンポラリーダンス作品「ORU」と、日本・台湾の俳優による言語を超えた身体的対話で紡ぐ、現代舞踊劇「ツルマチ」の連作です。
◯ソロダンス『ORU(おる)』
振付・出演:真吉
今年1月、PPP(pre・play・place)で創作過程を公開した作品です。
鶴が自らの身体で布を織る場面を起点に、ダンサー真吉が自身の人生を織り込むように踊ります。創作メンバーとともに博多町家ふるさと館で機織り体験を行い、その身体の記憶を作品へと昇華しました。ドラマトゥルグ石田聖也(artist collective somegogoro)との協働により、織られる身体から新たな風景が立ち上がります。
◯舞踊劇『ツルマチ』
振付・出演:五味伸之(空間再生事業 劇団GIGA)、符容
台湾を拠点とする俳優・府蓉と、GIGAの俳優・五味伸之によるデュオ作品。
異なる文化や身体性をもつ二人が、物語に潜む「秘め事」や「境界の越境」を描き出します。鶴のような静けさと熱を併せ持つ府蓉、肉体を劇的に変容させる五味。その出会いが観る人の想像を刺激します。
◯稽古場レポート
過去のニューニチブキカクワークインプログレスの稽古場レポートをご覧いただけます。
2025年1月13日「語り託す」PDF
2025年1月15日「語り出す個性」PDF
2025年1月17日「◯◯とは何か」PDF
2025年1月22日「人間と動物のあいだ」PDF
2025年1月23日「招かれざる客」PDF
2025年1月24日「わかるわからない」PDF
2025年1月25日「あるとない」PDF
舞踊劇『ツルマチ』稽古映像
DANCE EXCHANGE
福岡ダンスエクスチェンジ

今回で第4回目を迎える福岡のコンテンポラリーダンスの祭典。今年はフランス、オランダ、香港お3カ国からの国際的なアーティストを迎え、演劇とのコラボレーション作品や親子観劇作品にワークショップと多様なプログラムを盛り沢山でお届けする3日間です。世代やジャンルを超えて交差する身体表現の今を、福岡から世界へ、世界から福岡へ発信します。観る・動く・語るが一体となったこのフェスティバルで、新たな可能性に出会ってください!
公式instagram:@fukuokadancex
◼︎主催
一般社団法人UTMOST、パピオビールーム共同事業体、福岡舞台芸術施設運営共同事業体、なみきスクエアみらいネットワーク、みなみ地域振興グループ、福岡市
◼︎共催
(公財)福岡市文化芸術振興財団
◼︎助成
公益財団法人 森村豊明会、公益財団法人 西日本シティ財団、国際文化交流事業財団、オランダ王国大使館、オーストラリア大使
◼︎企画
一般社団法人UTMOST
◼︎お問い合わせ
福岡ダンスエクスチェンジ:fukuokadancex@gmail.com
TICKET
チケット・ご予約
●web予約
googleフォームからお申し込み下さい。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeqsWB9NkzICciUKBshqLHMTHtzFgHl2_lCFgZgeD4mk3noVQ/closedform
●ローソンチケット
ローソンのLoppiからお申し込み下さい。
Lコード:84042
https://l-tike.com/
CONTACT
お問い合わせ
上演のお問い合わせは空間再生事業 劇団GIGAまでお願いします。
メール:mail@spacegiga.com
web:https://spacegiga.com/